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とある薬剤師の外部記憶

カテコールアミン(カテコラミン:CA)についての復習とまとめ

カテコールアミンとはカテコール基という構造が含まれている、生理活性アミンの総称で、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンがあります。

カテコール基と、アミノ基(-NH2,-NH-)の構造があって、体内で何らかの生理的な反応をする物質がカテコールアミンということです。

カテコールアミンは主に神経伝達物質として働いているので、神経細胞から放出されて対象の組織や臓器へ作用して生理活性を現します。

カテコールアミンの名称と構造

カテコール基

カテコール基

ドーパミン

ドーパミン(DA)

アドレナリン

アドレナリン(Ad)エピネフリン(Epi)

ノルアドレナリン(ノルエピネフリン)

ノルアドレナリン(NAd)ノルエピネフリン(NEpi)

アドレナリンはエピネフリンと呼ばれることもあります。それと同様に、ノルアドレナリンはノルエピネフリンと呼ばれることもあります。

この違いは、生物学ではアドレナリンと呼ぶことが一般的であることに対して、医学では副腎髄質ホルモンとしてエピネフリンと呼びます。

どちらが正しいということはないので、どちらを使っても問題ありません。

日本薬局方では現在一般名としてアドレナリンが採用されています。

カテコールアミンの動態

カテコールアミンの神経終末での動態

カテコールアミンの神経終末での動態

カテコールアミンは交感神経終末でチロシンが取り込まれ、神経細胞内で「ドパ→ドーパミン→ノルアドレナリン(→アドレナリン)」の順に生合成されていき、最終的に交感神経終末から放出されます。

神経終末から放出されたノルアドレナリンは受容体に作用した後、モノアミントランスポーター(MAT)によってもう一度交感神経内に取り込まれ、ほとんどが再利用されます。

ノルアドレナリンが不活性化されるときにはモノアミン酸化酵素(MAO)もしくはカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)によって代謝され、不活性の代謝物となり、最終代謝産物は尿中に排泄されます。

一部の組織(副腎皮質や心臓・脳幹)ではノルアドレナリンがフェニルエタノールアミン-N-メチル基転移酵素(PNMT)で代謝され、アドレナリンとなりシナプス間隙に放出されます。

アドレナリンの不活性化もノルアドレナリンと同様にMAOやCOMTによって行われ、不活性代謝物となって尿中に排泄されます。

ドーパミンの場合は小胞体内のノルアドレナリンがドーパミンに置き換わったと考えれば差し支えありません。

ノルアドレナリンと同じようにドーパミンもMATによって再取り込みされ、MAOやCOMTによって代謝されます。

カテコールアミン生合成・代謝

カテコールアミン生合成・代謝

カテコールアミン受容体

カテコールアミンは受容体に作用することで、その生理活性を示します。

生理活性は対象となる組織・臓器に存在する受容体によって異なりますが、アドレナリンであれば主に交感神経が強く働いたときに現れる生理現象を、ドパミンであれば中枢神経系の作用と一部の消化管系の作用を起こしていると考えて下さい。

アドレナリン受容体

アドレナリン受容体はα受容体とβ受容体があり、α受容体は更にα1A、α1B、α1D、α2受容体、β受容体はβ1、β2、β3受容体に分けられます。

全てがGタンパク質共役受容体で、サブタイプによってGタンパク質の種類も異なります。

α1Aなどの細かな分類をサブタイプと言い、単に総称としてα1受容体と呼ぶこともあります。

実際には他にもサブタイプがあるのですが、ここでは重要なものだけを説明していきます。

α1受容体は主に交感神経支配の組織・臓器の生理作用を示し、α2受容体は交感神経終末でのNAdの遊離を調節する役割を持っています。

β1受容体は主に心筋の機能を高める作用、β2受容体は気管支や子宮、血管の平滑筋を弛緩させる作用、β3受容体は脂質代謝亢進や膀胱括約筋を弛緩させる作用があります。

 

それぞれの特徴を次の表にまとめておきます。

受容体 主な分布組織と生理的作用 Gタンパク質
α1
(α1A・α1B・α1D
主に平滑筋の収縮
虹彩の瞳孔散大筋の収縮(散瞳)
α1A:前立腺・尿道平滑筋の収縮(尿道圧迫)
α1B:血管平滑筋の収縮(血圧上昇)
α1D:膀胱平滑筋の収縮(蓄尿減少)
Gqタンパク質共役型
→PLC 活性化
→IP3・DG・Ca2+
濃度↑
α2 神経の前膜の自己受容体 → NAd遊離抑制
心筋弛緩
血小板凝集
Giタンパク質共役型
→AC抑制
→cAMP濃度↓
β1 心筋収縮力増大(陽性変力作用)
心拍数増加(陽性変時作用)
Gsタンパク質共役型
→AC活性化
→cAMP濃度↑
β2 主に平滑筋の弛緩
(気管支・子宮平滑筋など)
Gsタンパク質共役型
→AC活性化
→cAMP濃度↑
(まれにGiと共役)
β3 脂質代謝の亢進
膀胱括約筋の弛緩
Gsタンパク質共役型
→AC活性化
→cAMP濃度↑
アドレナリン反転

α1作用の血管平滑筋収縮とβ2作用の血管平滑筋弛緩は逆の作用の示しますが、どちらも同じアドレナリンによって刺激される受容体です。

この矛盾点を説明する実験を紹介しておきます。

通常はアドレナリンを血管平滑筋に作用させると、血管収縮を引き起こしますが、α1選択的受容体遮断薬を投与してからアドレナリンを作用させると、血管が拡張するという結果が得られます。

この減少を薬理学では「アドレナリン反転」と言います。

この結果から、血管平滑筋は基本的にはα1作用によって支配されているということがわかります。

ドパミン受容体

ドパミン受容体は主に脳内の神経伝達に関わっている受容体です。

ドパミン受容体にはD1~5受容体のサブタイプがあり、それぞれ脳内のシグナル伝達やホルモン分泌の機能を担っています。

この内D2受容体は上部消化管の機能調節にも関連していて、制吐剤(吐き気止め)や食欲不振などで重要な受容体です。

ドパミン受容体も全てGタンパク質共役受容体で、サブタイプごとにGs/olfによるアデニル酸シクラーゼ活性化とGi/oによるアデニル酸シクラーゼ抑制に分けられます。

それぞれのサブタイプごとに次のようにまとめておきます。

受容体 分布と生理作用 Gタンパク質
D1、D5
(D1様受容体)
D1:網膜・線条体
D5:辺縁系
薬理学的な差は殆ど無い
甲状腺ホルモン分泌
体性運動の機能調節(パーキンソン症候群に関与)
Gs/olf
→AC活性化
→cAMP↑
Gq
→PLC活性化
→IP3・DG・Ca2+
濃度↑
D2、D3、D4
(D2様受容体)
D2:上部消化管・黒質線条体・中脳辺縁系
D3:辺縁系
D4:大脳皮質前頭野・扁桃核
D2受容体の刺激により上部消化管でのACh分泌抑制
→上部消化管運動の低下
D2受容体の刺激によってプロラクチン分泌の抑制
→遮断薬でプロラクチン分泌亢進
→乳汁分泌促進
Gi/o
→AC抑制
→cAMP↓

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調剤薬局とドラッグストアで働いている三十路手前の薬剤師です。

もともとは「食いっぱぐれない」という理由だけで薬学部進学を目指しました。
今では自分の知識がそのままお客さん・患者さん・同僚の薬剤師・登録販売者の役に立って感謝されるのが嬉しく、楽しく勉強させてもらってます。

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