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ゾピクロンとエチゾラムが向精神薬に指定されて困ること

あまり話題に上がっていないような気がしますが、ゾピクロン(アモバン)とエチゾラム(デパス)が普通薬から向精神薬に指定されることになりました。

今日はその概要と、現場的に困りそうなことをまとめていこうと思います。

いつから?どの分類?処方日数制限は?などの基本情報

ざっくりいうと

  • 2016年10月14日から
  • 第3種向精神薬に指定
  • 処方期間の上限は30日(案)

という感じになりそうです。

10月13日に確定情報がでました。(2016年10月13日更新)

  • 2016年10月14日から第3種向精神薬に指定
  • 2016年11月1日から処方期間の上限は30日

とのことです。

詳細は官報に掲載されたようです。

官報はこちら ↓

2016-10-13_18h32_20_%e3%82%a8%e3%83%81%e3%82%be%e3%83%a9%e3%83%a0%e3%81%a8%e3%82%be%e3%83%94%e3%82%af%e3%83%ad%e3%83%b3%e3%81%8c%e5%90%91%e7%b2%be%e7%a5%9e%e8%96%ac%e3%81%ab%e6%8c%87%e5%ae%9a%e3%81%95

平成28年10月13日 官報 第6877号

保医発 1013 第1号

↑詳細の掲載場所が厚生労働省に変わったのでリンクを変更しました

この中に登場する「○療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」はこちらから見れます。

厚生労働省 法令検索データベース 「○療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等」

官報に記載されている「第十第二号(一)ロ」は投与制限14日の向精神薬についての指定について書かれています。

第十 厚生労働大臣が定める注射薬等

二 投薬期間に上限が設けられている医薬品

(一) 療担規則第二十条第二号ヘ及びト並びに第二十一条第二号ヘ並びに療担基準第二十条第三号ヘ及びト並びに第二十一条第三号ヘの厚生労働大臣が定める投薬量又は投与量が十四日分を限度とされる内服薬及び外用薬並びに注射薬

ロ 麻薬及び向精神薬取締法第二条第六号に規定する向精神薬((二)及び(三)に掲げるものを除く。)

10月14日に施行される部分はこうなることになります。

ロ 麻薬及び向精神薬取締法第二条第六号に規定する向精神薬((二)及び(三)に掲げるもの並びにエチゾラム及びゾピクロンを除く。)

11月1日からは10月14日に施行された部分が削除され、「第十第二号(二)イ」の部分に追加されます。

第十 厚生労働大臣が定める注射薬等

二 投薬期間に上限が設けられている医薬品

(二) 療担規則第二十条第二号ヘ及びト並びに第二十一条第二号ヘ並びに療担基準第二十条第三号ヘ及びト並びに第二十一条第三号ヘの厚生労働大臣が定める投薬量又は投与量が三十日分を限度とされる内服薬及び外用薬並びに注射薬

イ 内服薬

アルプラゾラム、エスタゾラム、オキシコドン塩酸塩、オキシコドン塩酸塩水和物、オキサゾラム、クアゼパム、クロキサゾラム、クロチアゼパム、クロルジアゼポキシド、コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩、ゾルピデム酒石酸塩、トリアゾラム、ニメタゼパム、ハロキサゾラム、プラゼパム、フルジアゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム塩酸塩、ブロチゾラム、ブロマゼパム、ペモリン、メダゼパム、メチルフェニデート塩酸塩、モダフィニル、モルヒネ塩酸塩、モルヒネ硫酸塩、ロフラゼプ酸エチル、ロラゼパム又はロルメタゼパムを含有する内服薬並びにクロルプロマジン・プロメタジン配合剤、メペンゾラート臭化物・フェノバルビタール配合剤及びプロキシフィリン・エフェドリン配合剤

この部分に追加されるので

イ 内服薬
アルプラゾラム、エスタゾラム、エチゾラム、オキシコドン塩酸塩、オキシコドン塩酸塩水和物、オキサゾラム、クアゼパム、クロキサゾラム、クロチアゼパム、クロルジアゼポキシド、コデインリン酸塩、ジヒドロコデインリン酸塩、ゾピクロン、ゾルピデム酒石酸塩、トリアゾラム、ニメタゼパム、ハロキサゾラム、プラゼパム、フルジアゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム塩酸塩、ブロチゾラム、ブロマゼパム、ペモリン、メダゼパム、メチルフェニデート塩酸塩、モダフィニル、モルヒネ塩酸塩、モルヒネ硫酸塩、ロフラゼプ酸エチル、ロラゼパム又はロルメタゼパムを含有する内服薬並びにクロルプロマジン・プロメタジン配合剤、メペンゾラート臭化物・フェノバルビタール配合剤及びプロキシフィリン・エフェドリン配合剤

という感じになるはずです。

向精神薬への指定と投与制限の指定が別の日になっているので、ちょっとややこしいのですがこのタイミングだけでいいので覚えておいたほうがいいです。

個人の医院さんからの問い合わせにすぐ応えられるのも薬局の評価が上がるポイントですからね。

 

厚生労働省からの正式な通達はこちら ↓

新たに3物質を向精神薬に指定します|厚生労働省

投与期間の制限に関しては中医協の審議会より(案) ↓

中央社会保険医療協議会総会審議会資料 |厚生労働省

このページ内の「○新たに向精神薬に指定される内服薬の投薬期間について」の議事録が「30日」の根拠になっています。

2016-10-05_15h33_20_%e3%82%a8%e3%83%81%e3%82%be%e3%83%a9%e3%83%a0%e3%81%a8%e3%82%be%e3%83%94%e3%82%af%e3%83%ad%e3%83%b3%e3%81%8c%e5%90%91%e7%b2%be%e7%a5%9e%e8%96%ac%e3%81%ab%e6%8c%87%e5%ae%9a%e3%81%95

なので、現時点では(案)ということになりますね。

薬局で予想される問題

私が思いつくことを並べてみると

  • 処方箋の記載が30日分を超える場合は毎回疑義照会
  • 整形外科領域の筋緊張性の頭痛、頚椎症、腰痛症などで長期服用が必要な場合
  • 向精神薬加算が追加になることで窓口支払い額が10~20円変わること
  • 海外旅行への持ち出し規制に引っかかる場合
  • 薬局内の保管場所の変更

こんなところでしょうか。

一つ一つ解説していきます。

 処方箋の記載が30日分を超える場合は毎回疑義照会

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当然ですけど、向精神薬なので投与期間を超えていたら疑義照会します。

しっかりしている事務さんがいる病院ならいいのですが、細かな情報を仕入れていない診療所だったりすると、

「そんなの私は聞いていない!!そのまま出せ!」

となぜか、医師から怒られることもあります。

そいうときは、

「厚生労働省からの正式な通達のあったことなので、こちらではお断りいたします。」

ときっぱり言いましょう。

普通なら製薬会社のMRが訪問したりしているので、こういうことはあまりないのですが、一応頭の片隅には入れておくといいかもしれません。

 

こういう場合、対象の薬剤の日数を調整すると、他の処方薬の日数と合わなくなることがあります。

この対処は疑義照会時に確認しておいたほうがいいですね。

他の薬剤も合わせて変更するか?対象の薬剤だけを変更するか?

できれば、患者さんからもどうした方が都合がいいか?を確認してから疑義照会できるとベストです。

整形外科領域の筋緊張性の頭痛、頚椎症、腰痛症などで長期服用が必要な場合

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エチゾラムに関してのことなのですが、適応症として「筋緊張性頭痛、腰痛症、頚椎症」があります。

こういう疾患の場合、長い間症状が変わらず、服用しないと悪化するという人が結構います。

こういう人たちには上手に説明しなければいけませんね。

例えば、

エチゾラムは10月14日からの変更で「向精神薬」という乱用を規制するための分類に指定されました。

今まで通り使って大丈夫ですが、1回の処方で30日分までしか出せなくなってしまったので、ご理解ください。

くらいでもいいと思います。

「今まで通り飲んでいいんだよ」というところは強調して話をした方がいいですね。

危険薬物的なイメージを持たれて、全く飲まないという人もいるかもしれないので。

向精神薬加算が追加になることで窓口支払い額が10~20円変わること

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今までは「普通薬」だったものが、今回の変更で「向精神薬」になったので、保険の追加料金が発生します。

これは「向精神薬加算」というやつで、向精神薬が含まれる処方箋の薬を用意すれば、一律8点(80円)が発生します。

国民健康保険がこのように定めているので、自費での扱いでない限りはどこの薬局でも同じようになります。

ずっと同じ処方で、同じ日数をもらい続けている人からすると、料金が突然変わって不信感を抱く場合があります。

ちゃんと説明できるように準備をしておきましょう。

海外旅行への持ち出し規制に引っかかる場合

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出張や旅行で海外に行く場合、向精神薬には輸出規制というのがあります。

かんたんにいうと、日本から出るときには決められた量までしか持っていけないということです。

今回の場合

  • ゾピクロン:300mgまで
  • エチゾラム:90mgまで

なので、錠剤に換算すると

  • ゾピクロン7.5mg:40錠
  • ゾピクロン10mg:30錠
  • エチゾラム0.25mg:360錠
  • エチゾラム0.5mg:180錠
  • エチゾラム1mg:90錠

ということになります。

海外旅行を計画されている人にこの処方が出ていたらちょっと気遣ってあげてもいいでしょう。

薬局内の保管場所の変更

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向精神薬といういうと、鍵のかかる引き出しに保管しなければいけないというのが基本ルールになっているかと思います。

実際は、無人のとき調剤室に鍵がかかる、もしくは鍵をかけた引き出しなどに保管すればOKです。

あとは「人目につかないところで」という項目もありますね。

これは厚生労働省が作成した「薬局における向精神薬取扱いの手引(H24.2)」に記載されています。

現実的には他の向精神薬と同じ場所に保管するほうが、オペレーション的にもいいと思います。

調剤室は結構狭いこともあるので、なんとか空きスペースを確保して保管できるといいですね。

あとがき

はじめに向精神薬へ分類変更されると聞いたときは、

「取扱いが面倒になるな~」

くらいのことしか頭になかったのですが、いろいろ検討してみると、割りと大きな変化のように思います。

今回は指定されませんでしたが、「リルマザホン塩酸塩(リスミー)」も同様の作用があるので、今後はどうなるかわかりませんね。

では今日はこのあたりで。

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調剤薬局とドラッグストアで働いている三十路手前の薬剤師です。

もともとは「食いっぱぐれない」という理由だけで薬学部進学を目指しました。
今では自分の知識がそのままお客さん・患者さん・同僚の薬剤師・登録販売者の役に立って感謝されるのが嬉しく、楽しく勉強させてもらってます。

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